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知的学級と情緒学級は目的が違う・通常学級に戻すための具体的なプラン

 
特別支援学級は、知的学級と情緒学級に分かれます。
それぞれ目的が違います。 
 
なので、保護者に伝えるべきことも違います。 
 
情緒学級の場合は通常学級を目指すので、そのための具体的なプランを保護者に伝える必要があります。 
  

知的学級と情緒学級は目的が違う・通常学級に戻すための具体的なプラン

まず、知的学級と情緒学級の違い

知的級は通常学級に戻ることを目指していません。
 
障害者手帳を取得することを目指しています。
中学校・高校進学になった時も特別支援学校の高等部を目指します。
 
そこで就労できるための、手に職をつけるための訓練をして、作業所や会社の障害者枠に入れる様にします。
 
 
情緒学級が日本の中で難しいです。
障害者手帳をもらえません。 

最初の難関が高校受験です。
通常学級の子と同じ条件でやらないといけません。 
 
  
ただ、合理的配慮があります。
  
これは、たくさんの人がいるところでは緊張してしまう場合、個室で試験を受けることはできます。
そいった配慮をしてもらえる可能性が高いです。 
 
でも、通常学級の子と同じテストをしないといけません。
  
  
高校には情緒学級はないです。
 
特別支援学級にいた子を集めている高校はあります。
 
 
結局は、情緒学級の子は通常学級に行けた方がいいです。
集団生活を普通にできないと、高校に行ってから大変なことになります。 
  
学校に行けなくなってしまうかもしれません。
 
情緒学級の子が目指すべきは通常学級です。
 
なので、そこを目指すのですが、保護者の協力も必要です。 
 
なので、どういったことをやったら通常学級に戻れるのかを担任が保護者に伝える必要があります。
 



  

通常学級に戻すためのプランを保護者に伝える必要がある

情緒学級の子を通常学級に戻すための具体的なプランを考えます。
 
例えば、
集団が苦手で通常学級に入れない子の場合。 
 
まず朝の会・帰りの会だけ通常学級に行ける様になる。
それができたら給食の時間を追加する。
そのあとは、音楽や図工の時間を追加
最終的には国算社理も参加できる様になる。 
  
この様にできることを少しずつ増やしていける様にします。
段階を踏んでいくことができたら通常学級に移動できます。
 
具体的なプランがあった方が、子どもも保護者も先が見えやすいです。
  
  
ただし、音楽だけがダメ、図工だけがダメというパターンもあります。
なので、一概にさきほどの流れがいいとは言えません。 
 
子どもに合わせて変えていく必要はあります。
 
  
音が敏感な子は音楽がダメです。
手・指先が不器用な子は習字や図工が苦手です。 
 
 
決めたことを無理やり進めないことも大事です。
やってみてダメだったら修正する必要があります。
 
その子がいけない授業は無理に行かせる必要はありません。
ダメな時は、情緒学級に戻ってもらえる様にしておきましょう。
   
そうやって柔軟に対応するべきです。
 
 
情緒学級は通常学級に戻すことを目指した方がいいです。
早く支援を受ければ受けるほど早く帰りやすくなります。 
 

最後に。

情緒学級で働く前は、子どもがじっとしていられない時にじっとしていられる様にすることが指導だと思っていました。 
 
全校朝会に参加できない子がいても、無理矢理にでも参加させることが正しいと考えていました。 
 
でも、そうではないってことに気づくことができました。 
 
できないことはできません。
段階を追って、できる様にしておくことが必要です。 
 
 
よく子ども怒ることで仕方なく従わせている先生がいます。 
全校朝会の時も一言も話さず、きれいに並んでいます。 

でも、そのクラスに他の先生が入ると大騒ぎをしてしまいます。  
今までたまっていたものが爆発したかの様です。 
 
子どもたちは先生に恐れて従っていただけです。
怒られない様に動いているだけです。 

なので、教育にはなっていません。 
 
 
そうやって、静かに並ばせることができる先生が指導力が高いと思われてしまいます。 
 
僕もそう思っていたことがありました。 
でも、そうではありません。 
 
そう考えられる様になってから楽になりました。
 
全校朝会の時に列が乱れていたり、子どもが話をしていると、自分が恥ずかしいからちゃんとしてほしいだけでした。
 
 
子どものことを考えたら、怒るのではなくてもっといい指導法があるはずです。 
 
段階を追って徐々によくしていくという視点があれば、無理矢理指導することはしません。 
 
 
自分だっていきなり変えることはできません。 
 
「毎日テレビを3時間見ている。でも、自分を成長させるためにその時間を使いたい。
明日から、3時間のうち1時間を本を読む時間にしよう。」 
 
そんな風に思ったとしても、なかなかうまくいきません。 
 
 
次の日はできるかもしれないけど、その次に日はできなくて、でも、またできる日があって、それを繰り返しているうちにできる日が増えてくる。
 
そして、いつの日にかそれを習慣化していける。 
 
自分だってそうやって段階を追って自分を変化させています。 
 
それなのに、子どもにいきなり変われと強制するのはおかしなことです。 
 
これからも、ほんとうにこれは子どものことを思ってやっているのかを自問自答して指導をしていきます。