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【情緒学級の宿題】なぜやるのか?目的は?

 
こんにちは。
とらのすけです。
 
今日は「宿題」がテーマです。
 
まず、宿題ってなぜやるんでしょうかね?
情緒学級に限らず、日本全国ほとんどの学級で毎日のように出されますよね。
 
 

学力をつけるため?
 

授業中に課題が終わらなかったから?
 

先輩先生たちが皆やっているから?
 
①はあり得ますよね。
②、③は「それでいいの?」って感じですが、理由として全くない訳ではなさそうです。
 

全国学力・学習状況調査の結果を見ても、宿題をちゃんとやっている子ほど得点も高いようですが、そりゃそうですよね。
相対的に見て、宿題を毎日ちゃんとやってくる子の方が、力はつくでしょうね。
 
でも、本当に宿題で学力ってつくのでしょうか?
もしつくのなら、教師の仕事って何なんでしょうね?
 
 
教師は授業で学力をつけず、宿題で学力をつける…。
なんて楽な仕事なんだろう。
 
実際はそうもいきません。
確かに宿題をすれば、漢字でも計算でもより多くの練習を積むことはできます。
 
 
でも、新しい知識を得たり、自分の考えをまとめたりすることはあまりありません。
ましてや、他人と意見を伝えあったりもできません。

ですから、言うまでもなく学校の授業と宿題のどちらも学力向上には欠かせないと思っています。
 
 
でも、学力向上を「宿題任せ」ぎみにしている先生って少なくないように感じます。
 
宿題は授業の補完的な役割なのだから、
「学年×10(+10)」
程度で良いはずです。
(受験を考えるなら、この限りではありません)
 
 
それなのに、ある子にとっては5分程度で終わり、ある子は1時間やっても終わらないような宿題が出されています。
つまり、「クラス全員が同じ宿題」を出させると、勉強が得意な子はすぐに終わってしまい、苦手な子は時間がかかってしまうことになるのです。
 
これでは、勉強が得意な子は、宿題で学力はつかないだすよね。
きっと、他でちゃんとやっているからできるんでしょうね。
 
 
苦手な子は、勉強が嫌いになるでしょうね。
だって、長い時間をかけてもできるようにならないのですから。
 
 
だから僕は、「みんなが同じ宿題」をやることはナンセンスだと思ってきました。
 
その結果、「効果的な自主学習」とはどういうものか、追求してきました。
(詳しくは、別の機会に…)
 
 
ちなみに僕は、通常学級の1年生の担任をした時も、2学期の途中からは自主学習をさせていました。
 
保護者からは「1年生にできるか心配でしたが、やればできるんですね。しかも、子どもの興味の幅が広がりました」と、何人もの方から言われました。
 
 
さて、ここからは情緒学級の話になるのですが、基本的には通常学級と同じ考え方のはず。
だって、情緒学級のカリキュラムは、通常学級と変わらないはずですから。
  
集団の中では上手く学習できないけれど、少人数であれば該当学年の学習がある程度は進められる子たちが在籍するのが情緒学級ですから。
 
むしろ、一人ひとりに合わせるのが特別支援学級であるので、クラスに同じ学年の子がいても課題は違っていて当たり前ですし、既習事項が身についていなければ遡って学習するのも当然です。
 
あとは、「量」に関しては保護者と相談して決めていくのも良いと思います。
 
 
僕のクラスに、「放課後デイサービス」に通っている子がいます。
 
その子は、家では宿題がはかどらないのですが、放課後デイだと複数の大人の目があることで、結構がんばって宿題をしているのです。
 
そのこともあって、放課後デイがある日は、保護者の要望もあってちょっと多めに宿題を出すようにしています。
 
もし、保護者の方でお子さんの宿題の量に悩まれている方がいらっしゃったら、担任の先生と相談されると良いかと思います。
宿題が家で上手くできず、家でトラブルになるようであれば本末転倒です。
 
 
学校の先生方は、その子の「学力向上」というよりも「学習習慣の確立」という視点で考えると良いかと思います。
毎日、一定の時間を座って学習することを習慣化させる。
これは、中学校進学までにぜひ身につけさせたいことの一つです。
 
宿題の目的、もう一度見直してみませんか?