子どもを叱る時は高圧的に怒鳴ったりしてはいけません。
素直に謝れる様に誘導する必要がありません。
そのために実践している「ほんのちょっと理論」をお伝えします。
特別支援学級(情緒学級)で実践している方法です。
小学生の子どもの叱り方「ほんのちょっと理論」
見ていないことも叱る必要がある
自分は見ていないことも叱らなければいけないことがあります。
例えば、子どもが「あの子に叩かれた。」と言って来た時です。
それは見ていないことなので、「絶対にやったでしょ!」とか言えません。
普段叩きそうな子であったとしても、そういった先入観は持てません。
叩いたと言われている子に質問をすると、「僕は絶対にやっていない」と言われることもあります。
見ていないので反論はできません。
なので、そういった時は、3つの質問をします。
1.叩いた
2.叩いていない
3.ほんのちょっとだけ叩いた
この3つです。
3択にすることで、ちょっと叩いたかもしれないと言う子もいます。
ほんのちょっと理論
こうやって3択にすることを「ほんのちょっと理論」と言います。
ほんのちょっとやったかどうかを聞きます。
それでも駄目な場合は、
「君は今何%悪いと思う?」
こういったことを聞きます。
「叩かれたA君も自分も悪くないんだったら50%。
ほんのちょっと悪いと思うのなら60%。
もっと悪いと思うのなら70%。
もうちょっと悪いともうのなら80%。
君は何%くらい悪いと思う?」
こういったことを聞きます。
そうすると、「65%くらいかな。」 という答えが返ってくることもあります。
それに対してこう返します。
「ちょっとだけ君の方が悪いと思うんだ!そういったことを素直に言って偉い。じゃあ悪かったところだけ謝ろうか。」
そうやって謝ってもらうことができます。
叱ることが難しい場合の奥の手
こういった質問でも納得しなかったり認めない場合は、叱ることが難しいです。
でも、奥の手があります。
それは、先生の昔話しを聞かせることです。
こんな風に話をします。
「昔、先生が担任した時に、お友達を叩いたけど、それを黙っていて嘘をついた子がいた。
その子がどうなったかというと、家の人が学校に呼び出されてしまった。
校長先生の前に行くことになってしまった。
そうしたら、校長先生にすごく怒られてしまった。
嘘がばれてしまった。
嘘をついた時にそれがバレたら、今以上に怒られることになる。
大変なことになってしまった。
君には関係ないけど、そういったこともあったという先生の昔話なんだよね。」
こんな風に伝えます。それでおしまいにします。
こういったことを言ってもその子は認めないと思います。
でも、次にそういったことをしない様にこういった話をしておくことが重要です。
「絶対お前やったよな!!」
こういった高圧的な方法ではない違う方法で、その子が悪かったというのを認めさせたり、感じさせる様にします。
絶対に謝らない場合にはどうしたらいいのか?
子どもが「俺悪くねーし」と謝らない場合もあります。
そういった時は、落ち着かない状態では謝らせない方がいいです。
落ち着いた状態、もしくはその子が乗っている状態を狙います。
「そう言えば、あの時ってよくないことしちゃったよね。」
「あのことについて今謝ろうか。」
と、そういった時にタイミングを見計らって言う様にします。
怒り狂っている時に謝らせることはできません。
大人でもそれは難しいことです。
あとは、担任ではない先生にお願いをするという方法もあります。
関わる先生を変えてみます。
家のことで言うと、お母さんがいくら言っても話を聞かない時に、おばあちゃんが出てくる様な感じです。
やはり相性はあります。
全部を自分でやろうとはしていません。
子どもによって適切な方法は変わります。
いろいろなパターンを持っていることが必要です。
最後に。
見ていないところで起こったこともちゃんと叱れる様になる必要があります。
そのために必要なのが「ほんのちょっと理論」です。
こういったことができないと、見ていないところでは叱られる様なことをやってもいいんだと子どもが思ってしまう可能性もあります。
それは避けないといけないので、何とかする必要があります。
そのために、ここに書いた様なことを実践しています。
うまくいかないこともあります。
でも、子どもは見えていないところで悪いことをしたとしても叱られるし注意を受けるということを分かってくれます。
それによって、先生がいないからという理由で他の子を叩いたりしなくなっていきます。
ちゃんと謝る様にするのがいいですが、それができないとしても効果はあります。
これからもつづけていきます。
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